7月28日発売の商業作品「恋来い温泉物語VR」を購入しました。
この作品はもともと2022年の春に発売予定だったのですが、夏になっても具体的な発売日が発表されることなく延期していたので、正直もっと遅くなるかと思っていました。
本作品は定価5,980円(リリース記念セールで20%オフ中)ということで、今までの商業VR作品の中でも高いです。
ちなみに私が以前購入してプレイし、トラウマレベルで酷い作品だった「S〇Xしないと出られない部屋VR」と同じ値段です。
イマイチなものが多い商業VR作品ですが、そんなイメージを払拭してくれる事を期待してプレイしていきます。
事前に大人向けパッチをインストール
ゲームを始める前に「公式サイト」から「大人向けパート追加パッチ」をインストールしておきます。
作品本編が長いらしいので、今回はパッチの有無による検証などはやらずに最初から入れた状態で進行していきます。
「SUMMER VACATION」のようななんちゃって演出追加パッチではなく、R18要素の追加があると明記されています。
コントローラーの操作に関して
正式対応しているデバイスは「Meta Quest」「HTC Vive」のみです。
VivePro + Indexコントローラーという組み合わせでプレイしようと試してみましたがコントローラーを押しても反応がありませんでした。
Viveコントローラーの操作方法が独特でかなり戸惑う
普段使用しているIndexコンは一旦諦めてViveコンを引っ張り出してきたのですが、上記の画面でトリガーやタッチパッドを押し込んでも全然先に進まず焦りました。
公式サイトの操作方法を読んだところタッチパッドが決定ボタンとの記述がありますが、何度タッチパッドを押し込んでも先に進みません…。
色々と試行錯誤をして得た結論としては、操作の決定やテキスト送りに使うボタンはタッチパッドで間違いはないのですが、
左手側のコントローラーはタッチパッドの右半分下段が決定ボタン
右手側のコントローラーはタッチパッドの左半分下段が決定ボタン
更に音がカチッとなるまで押し込むのはNGで、表面を軽くタッチすれば良かったみたいです。
この画像では説明不足で理解するまでに30分ぐらい要してしまいました。
微妙に説明が間違っていたのでテキストを修正して更に画像を作成しました。
上の画像でいう赤い部分が決定ボタンですね。
親指でタッチパッドを操作することを考えると確かに左右反転して内側にボタンが配置されていたほうが使いやすいのですが、初見でプレイする場合は確実に混乱します。
決定ボタンに限らず、全体的に操作性が悪いのでこのあたりは改善してほしいところです。
ストーリーモード
ストーリーモードの内容をさわりの部分だけ紹介していきたいと思います。
物語の核心に迫るようなネタバレに関しては掲載していませんが、情報を全く入れずにプレイしたい方はここをクリックして飛ばしてください。
風景が作り込まれていて普通に綺麗ですね〜。
のどかな景色の中にぽつんとある温泉旅館「恋来いの湯」。
主人公は何か用事があって久々にこの旅館に訪れたみたいです。
旅館の中に入ってみたものの受付は無人。
書き置きに従って温泉で時間を潰すことにします。
ワープ移動のように自由に動き回るような方式ではなく、テキストの進行によって場面が自動で切り替わります。
ここまででプレイ時間10分程度ってところですが、進行に合わせて場面が切り替わるので楽しいですね。
デスクトップのギャルゲーだったら背景1枚使い回しで済まされそうなシーンです。
温泉に到着。
ここまでで誰とも遭遇していないので主人公も油断しています。
!!!?
温泉内には先客がいて焦る主人公。
一度冷静に考えてここは混浴なので問題なかろうと堂々と入ります。
現在の時間は混浴時間外だったらしく、美少女の一撃をもらいブラックアウトしてしまいました。
ここでオープニングを挟みます。
主人公は先程の一撃で意識を失っていたようです。
目を覚ましたところ目の前には先程とはまた別の女性が居ました。
主人公のことを「若旦那」と呼ぶこの女性は主人公のことを知っているようで、この旅館で代理の女将さんをやっているそうです。
個人的にビジュアルは一番好みですね。
さきほどの二人を含めた四人で顔合わせ。
女将さんから状況を説明してもらいます。
どうやらこの旅館は主人公の祖父の所有物で、その祖父が次期オーナーとして主人公を指名したらしいです。
なんか既視感がありすぎる設定ですね…!
ここまでで他の宿泊客に出会っていない事からも分かる通り、旅館の経営はうまく行っておらず半ば押しつけられた形になります。
女将さん曰く、経営がうまくいっていない理由にこの二本の木が関わっているとのこと。
今は枯れてしまっているこの木はそれぞれ梅と桜の木で、花が咲いていた頃はこの旅館の象徴になっていてお客さんもいっぱい居たそうです。
そしてこの木を再び満開にするには姉妹の協力も必要なんだとか。
経営シミュレーション的な物語ではなくファンタジーに振り切ってストーリーが進行していくようです。
キャラクター
万葉心梅
主人公とは幼馴染で姉妹の姉の方。
気が強く温泉で主人公を殴ったのもこの娘です。
初期好感度100%のツンデレです。
万葉桜愛
主人公とは幼馴染で姉妹の妹の方。
こちらも主人公に対する好感度は最初からカンストしています。
引っ込み思案でおどおどしている感じの娘。
三保五葉
年齢不詳な旅館の女将代行。
幼い頃から主人公のことを知っているようで、歳上だとは思いますが見た目的には姉妹とほとんど変わりません。
メタ的な読み方をしてしまうと、姉妹とは色々と扱いが違うのでストーリーを進めていく上で何かありそうです。
姉妹の名前からも分かるように心梅と桜愛で、それぞれの感情の高まりがモチーフとなる木の成長に影響するんだとか。
この二人との親交を深めて木を復活させ、旅館に人を呼び戻すのがこのゲームの目的です。
フリーアダルトモード
R18パッチを導入することでストーリー本編とは別にフリーアダルトモードが解放され、本編を進めてなくとも遊べました。
いわゆるシーン回想ですね。
ただ、この姉妹しか選べなかったのでストーリーの進行によってはもしかしたら追加シチュや女将さんもアンロックされるのかもしれません。
始めに脱がす箇所を選択します。
脱ぐタイミングを凝視していたら怒られました。
細かいけどこういう反応が用意されているのは良いですね。
…ただ、残念ながら脱ぐモーションまでは実装されておらず、暗転で切り替わります。
なんだこのハートは!!??
透過されておらず意外とデカいのでハートの奥の輪郭すら見ることができません。
これなら普通のモザイクで良くない…?
アニメーションは体位によって自動で進行していくものと、コントローラーの動きに同期するものがありました。
おっぱいや髪の毛は干渉できますが、顔などは貫通します。
Hシーンに関しては可もなく不可もない感じで、別段悪くはないですが、
私自身が同人含めていろいろな作品をプレイしているのもあり、驚きや感動みたいなものはありませんでした。
バグなのかリップシンクが動いておらず声だけ聞こえるのに口が動かない状況が何度かあって不自然なので、ここは修正してほしいですね。
まとめ
ボリューム感に関して
この記事を書いている段階では2章を終えて3章に入ったぐらいの進行度なのですが、この時点で1.6時間ほどプレイしていました。
コントローラーの設定でモタモタしていたり本編とは関係ないHシーンなどを見たりしているので、純粋に本編だけをプレイした時間ではないのですがかなりボリュームがありそうです。
ちなみに、スタートからエンディングまでは、およそ8時間くらいかかると見ています。またエンディングは、好感度で分岐するマルチエンディング方式で、1番良いエンディングを見るのに最低3周、全てを見ようと思ったら最低5周は必要です。
スキップ機能があるので、活用すればもっと早く終わらせられますが、いわゆるトゥルーエンドにたどり着くには20時間くらいかかります。
上記のインタビュー記事によると1ルート8時間ぐらいとのこと。
ここまでやってみての感想ですが、良い作品だと思います。
同じ値段の商業作品ということで比較に出して申し訳ないのですが、現時点で「S〇Xしないと出られない部屋VR」の100倍良いです。
デスクトップでプレイしていたギャルゲー世界をそのままVRに移植したような印象です。
キャラクターが魅力的
何気ない会話の中でもポーズや表情がコロコロ変わっていてキャラクターが魅力的。
そして当然VRなのでこういったシチュエーションで
ピンクでした!
こういう事ができるのもVRの楽しいところ。
こちらは桜愛ちゃんを抱きしめてあげるイベント。
表情の変化に加えてフルボイスなので、不意打ちで普通に「ええやん…」ってなりました。
ストーリーに関して
ストーリー自体はざっくり説明すると「愛の力で桜や梅を咲かせて旅館を復活」という話です。
梅も桜も咲く時期が違うだろとか、スピリチュアルに頼る前になんかできることあるやろとか、常識的に考えればツッコミどころ満載のストーリーなので、どちらかというと「キャラゲー」に分類されるゲームでしょうか。
あくまで2人のキャラクターを魅力的に見せるために用意されたストーリーで、ストーリーそのものはそこまで重要ではないという感じがしています。
まだ最後までプレイしていない現時点の感想なので、ここから心を動かされるような凄いストーリー展開があったら撤回します…。
私が可もなく不可もないと言ったエッチシーンも、現時点では姉妹の両方ともそんなに癖に刺さってないという部分もあると思うので、ストーリーを進めていく上で感情移入をし、キャラクターを好きになることができれば、エッチシーンの印象もだいぶ変わりそうです。
ゲームをクリアしたら改めて記事をアップデートするかもしれません。
似たようなSEXシミュレーターに飽きてしまったり、ちゃんとしたギャルゲーをVRでやってみたい方には、少々お高いですがそれでもおすすめできそうなゲームです。
追記:1ルートクリアした上での感想や気になる点など
一応エンドロールまで辿り着くことができたので追記しました。
1つ目のエンドまでの累計プレイ時間は6.5時間でした。
ところどころセリフを飛ばし気味で進めた部分もありますが、それでもこのぐらいの時間はかかっているので結構なボリューム感ですね。
エッチシーンの導入に関してはちょっと残念
キャラクターとのエッチに関しては、パッチを導入していればストーリー上の章の最後に差し込まれる形でイベントが発生します。
ただし、本編の進行とは全然繋がりがないエッチシーンなので、折角のストーリー重視のゲームとしては勿体無く感じました。
コントローラーの操作性や対応状況など
Viveコントローラーではスクロールがうまくできなかったり、決定ボタンの配置がおかしかったりなどコントローラーの操作性が悪いです。
対応しているデバイスも少ないようで、ViveやQuest以外のMRデバイスのコントローラーはデフォルトではほとんど対応していないようです。
非公式ではありますがIndexコンに関してはSteamワークショップでバインドを公開している人がいました。
他にも対応していないデバイスをお使いの人は一度探してみると良いかもしれません。
2周目以降のリプレイが辛い
このゲームにはテキストを読んだり選択肢を選ぶようなパートに加え、マップを移動してアイテムを探すようなパートもあります。
今時の一般的な2Dのギャルゲでは次の選択肢までスキップできたりなどリプレイがし易い作りになっていますが、本作の場合はそういったスキップ機能がありません。
ボタンを長押しすれば多少テキストが早くなりますが、途中で止まってしまったり、どこが既読でどこが未読なのかの違いも分かりません。
アイテムを探すパートも再度プレイする必要があり、あまりに時間がかかるため2周目のプレイは一旦断念しました。
本作はアーリーアクセスとのことで、今後もっとプレイしやすくなるアップデートに期待します。
ミニゲームに関して
本編とは別の要素として「卓球」「五右衛門風呂」「覗き見」のミニゲームがあります。
「五右衛門風呂」と「覗き見」はゲームとしてそんなにだったので特に言うことはないのですが、卓球ゲームに関してはヒロイン3人との対決で、相手にボールをぶつけると浴衣がはだけたりとゲームとしてそこそこ楽しめる作りになっていました。
ただし、ボールの物理に関してはかなり違和感があり、明らかに地球よりも重力が小さく感じました。
また、卓球のラケットのどんな部分に当たってもボールはまっすぐ飛んで行きます。
多分難易度を優しくするための調整だとは思います。
「Paddle Up」「Eleven Table Tennis」「VR Ping Pong」など数々のVR卓球ゲーをやってきた自分としては、本作の卓球はイマイチでした。
あくまでおまけのミニゲームなので、この卓球ゲーにそこまでのリアルさを求める人も殆どいないとは思いますが、もうちょっとクオリティが高ければこの卓球単体でも遊べそうだっただけにちょっと残念です。
話はズレますが、上記3作品の卓球ゲームは球が当たった時のコントローラーのバイブレーションなど、素人目線では本当にリアルで、初見でプレイしたときはむちゃくちゃ感動したのでオススメです。
総評
本作はアーリーアクセス作品ではありますが、ストーリーの途中で終わったりすることはなく、他のプレイヤーのレビューを見る限りTrueエンドなども実装されているようなので、本編以外の部分で調整が間に合っていないところがあるのだと思います。
ゲーム自体は買ってよかったと思える作品でした。
機能面で気になる箇所がかなりあるので今後のアップデートに期待です。